
この仕事を手伝ってもらいたい

授業のノートを写させてほしい

あの人をデートに誘いたい
このような場面を解決する内容です。
この記事では、人に頼み事を聞いてもらうための心理テクニックについてご紹介します。
他人にお願い事をするのであれば、断られるよりも「YES」と言ってもらいたいですよね?
そこで、相手の行動を引き出す心理的トリガーや4つの具体的な手法について解説します。
自分ならどう使うかイメージをしながら読み進めてみてね!

それでは続きからどうぞ!
本記事の内容
- 【トリガー1】ちゃんとした理由を添える
- 【トリガー2】先にこちらから手助けをする
- 心理的お願い事テクニック集
-
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【トリガー1】ちゃんとした理由を添える

当たり前のようですが、意識しないと忘れがちになります。
人は何かしらの理由がある行動に対して疑問を持ちにくい
ちゃんとした理由には、相手のYESを引き出す力があるということです。
ハーバード大学のエレン・ランガー教授らの実験により、その根拠がわかっています。
コピー機を使うために順番待ちしている場面で、3つの違う言い回しで割込みのお願いをするというもの。

すみません、5枚だけなんですが、先にコピーをとらせていただけませんか?
このシンプルなお願いには、60%の人が割込みを許可。
さらに、このセリフのあとに
- 『とても急いでいるものですから』を追加したら、94%の人が許可。
- 『コピーをとる必要があるのものですから』を追加したら、93%の人が許可。
『なぜなら〜だから』には毎日の経験をとおして、論理的な根拠があると脳が認識している
そのため、中身のない理由でも相手が譲ってくれたというわけです。
ただし、
お願いが大きくなると、理由の中身もちゃんと判断材料として使うようになります。
お願いの大きさに関係なく相手からYESを引き出すためのトリガーとしては、
人に何かを頼むときは、ちゃんとした理由を添える
【トリガー2】先にこちらから手助けをする

つまり、返報性の原理を使うというわけです。
返報性の原理とは
人は何かをしてもらうと、好意に関係なくその分お返しをしたくなるという心理傾向
手助けの効果
- まずはコチラから無条件で手助けをする。
- 相手はコチラに対して心理的負債感を感じる。
- お願い事が聞いてもらいやすくなる。
心理的負債感とは、『相手に借りを作っている』と感じている状態をイメージしてください。
借りを返すために、コチラからのお願いを聞いてくれやすくなるという仕組みです。
【関連のおすすめ書籍】>>人に頼む技術コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学
お願い事はお早めに
コチラからの手助けから時間が経つと、返報性の効果が薄くなります。
時間の経過と記憶
- 出来事の記憶が歪められ、自分に都合よく解釈する。
- 恩恵を受けた側は、あんな助けは必要なかったと考える。
- 逆に、恩恵を与えた側は、恩恵を過大に評価する。
つまり、
返報性の恩恵を1番受けやすいのは、恩恵を与えた直後ということです。
相手の心理的負債感がちゃんと残っている間に、コチラからの要望も伝えてしまいましょう。
日頃からお願い事をしやすい関係性を築く
お願い事をするために、相手に心理的負債感を抱かせるという解説してきました。
結局のところ、日ごろからお願い事がしやすくなるような周囲への接し方をするのが効率的です。
『助けてもらうために誰かを助ける』という思考ではなく、『誰を助けることができるだろう』という思考をしましょう。
あなたの好意には返報性があります。
また、周囲と仲良くなるためには、「単純接触効果」や「自己開示の法則」を上手く使いましょう。
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心理的お願い事テクニック集

一方的に押し付けられたお願いごとの場合、相手にやらされてる感が生まれてしまいます。
つまり、やる気が失われやすいということです。
相手から「YES」と言ってもらうことが、モチベーション維持には不可欠だよ

ここでは、相手から「YES」と言ってもらうための具体的な心理テクニックを4つご紹介します。
YESを引き出すテクニック
- ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
- フット・イン・ザ・ドア・テクニック
- ローボール・テクニック
- 誤前提暗示
【関連のおすすめ書籍】>>影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
最初に断られる可能性が高いお願いをして、相手が断ったあとで受け入れやすいお願いをするという手法です。
語源
英語で「門前払い」という意味の「shut the door in one’s face」が由来といわれている。
こちらからのお願いを一度断ったことによる相手の罪悪感を利用したテクニックです。
ただし、最初のお願いが大きすぎだと効果がなくなりますので注意してください。
使い方の例
- 仕事を依頼する場合

断られたあとに、

この場合の本命のお願いは「明日までに資料をまとめさせる」ということですね。
フット・イン・ザ・ドア・テクニック
最初にかんたんなことを少しだけお願いして、相手がかんたんなお願いを承諾したら本命の大きなお願いをするという手法です。
段階的要請法とも言われています。
語源
しつこい訪問販売セールスマンが、ドアの間に足をこじ入れて閉め出されないようにする様子からきている。
一度お願いを承諾したことにより一貫性が働き、認知的不協和を回避しようするために次のお願いも承諾されやすくなるということです。
また、本命のお願いと、最初のかんたんなお願いの属性は揃えましょう。
使い方の例①
- 授業のノートをコピーしたい場合

ノートを見せてもらったのち、

この場合の本命のお願いは「授業のノートをまるまるコピーする」ということですね。
使い方の例②
- 仕事を依頼する場合

口頭などで簡単な報告を受けたのち、

この場合の本命のお願いは「先月と今月の比較データ作成」ということですね。
かんたんなお願いでも、相手にとってはあまり経験のないことだった場合、相手の中に新しいアイデンティティ(自己同一性)が生まれます。
つまり、そのジャンルを新しく意識したり、自分はその仕事をする人だと認識するということです。
ローボール・テクニック
最初は受け入れやすい好条件を提示しておき、 相手が承諾したあとに不利な条件を提示するという手法です。
語源
野球のキャッチボールに由来。
最初に取りやすい低めの球を投げておき、徐々に高さを上げていけば、取りにくい高めの球でもついつい手を出す様子からきている。
先ほどの「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」同様、こちらも一度承諾したことによる一貫性で、断りにくい心理を使っています。
ただし、こちらは場合によっては相手の反感を買いやすいので注意!
相手の承諾後に悪条件を出したり、元々の好条件をなかったことにするためです。
使い方の例
- 仕事を依頼する場合

相手が承諾したのち、

この場合の本命のお願いは「2時間の残業」ということですね。
誤前提暗示
最初から手伝うことが決まっている前提で話を進め、 手伝う内容を相手に選択させるという手法です。
単にお願いするのではなく、最初から選択肢を提示することがポイント!
相手の都合を聞いてしまうと、お誘い自体を「No」と断られるかもしれません。
また、選択肢を出されることにより、その中から選ばないといけないという錯覚を生み出します。
さらに、自分自身で選んだことは納得してもらいやすいという効果も期待できるわけです。
使い方の例①
- デートに誘う場合



この場合の選択肢は何でもよくて、本命のお願いはあくまで「デートのお誘い」ということですね。
使い方の例②
- 仕事を依頼する場合


この場合、最初に選択肢を出されたことで「仕事を手伝う」前提で話が進んでいますね。
頼み事を聞かせる心理テクニックまとめ
さいごに、この記事のポイントを再確認します。
ポイント
- 人に何かを頼むときは、ちゃんとした理由を添える。
- 日ごろから周囲に対して、無条件の手助けを心掛ける。
- やる気を維持させるなら、相手から『YES』と言わせる。
これらのテクニックは非常に有効ですが、相手も理論を知っている場合は通じないこともあります。
まずは、日ごろからの関係性や、返報性の種まきを心掛けてみてください。
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