
結婚したら旦那の嫌なところばかりが目につくように…

いつもちょっとしたことで機嫌が悪くなるんだよなぁ…
このように、結婚後に夫婦仲が悪化するなんてよくあるお話ですね。
そこで今回は、思考の負の連鎖と幸せになるためのリフレーミングについて解説していきます。
人の感情は非常に繊細で、ちょっとしたキッカケに大きく影響されてしまうものです。
少しのすれ違いが互いに誤解を招き、いつの間にか負のスパイラルに陥ってしまいます。
リフレーミング、つまり捉え方を変えることで、そんな負の連鎖から抜け出すことができるのです。
相手を責める前に、まずは自分自身の考え方と向き合ってみよう!

それでは続きをどうぞ!
本記事の内容
- 一度相手を嫌になると止まらないのはなぜ?
- リフレーミングであえて真逆にしてみる!
-
匂いの相性は遺伝子に影響される!印象が良くなる香水の選び方とは?
こんな疑問にお答えしていく内容です。 この記事では、匂いが与える相手への印象効果についてご紹介します。 少し前に歌の方が話題となった香水ですが、使用するとなんとなくモテるような気がしますよね? そのな ...
続きを見る
一度相手を嫌になると止まらないのはなぜ?

僕たちの意思決定は、様々な感情や思い込みによって左右されています。
次のような具体例でイメージしてみましょう。
とあるタレントさんの不倫報道を知ってから、その方のやること成すことすべてが不快に感じる
これは不倫という悪印象から、その後の行動の正当性に関係なく反射的に意思決定を行っている状態と言えます。
つまり、日常生活や夫婦間のコミュニケーションでのちょっとしたすれ違いから、負の連鎖が始まることもあるわけです。
このように、夫婦仲を悪化させてしまう心理傾向として、次の2つをご紹介します。
- 感情ヒューリスティック
- 確証バイアス
感情ヒューリスティック
僕たちの頭は、たとえ難しい問題であっても、数ある情報の中からなんらかの判断を下そうとします。
ヒューリスティックスとは、そうした意思決定プロセスにおける、過去の経験や直感に基づく判断ショートカット機能です。
次のセリフの場面を想像してみてください。
あそこの彼はスーツを着ているから、きっとサラリーマンだ。
これはヒューリスティックスの一例で、経験則によって「スーツ=サラリーマン」だと判断したわけです。
こうしたヒューリスティックスのうち、好きや嫌いといった感情によって判断する場合を、感情ヒューリスティックと呼びます。
感情ヒューリスティックの特徴は、次のとおりです。
- 好きな場合、メリットなど良い所に自然とフォーカスする。
- 嫌いな場合、デメリットなどの悪い所に自然とフォーカスしてしまう。
カップルによくある感情ヒューリスティック
付き合いが新鮮なうちは、新しい刺激も多く、パートナーへの好意も持続しやすい環境です。

どんくさいところもかわいいなぁ…
頭の中が恋愛モードであれば、相手の魅力的な部分にフォーカスしやすいと言えます。
ところが、結婚するとどうなるでしょう?
一緒にいる時間が増える一方、新鮮味は薄れていき、パートナーの悪い所も目立つようになります。

ほんといつもどんくさいなぁ…(イライラ)
僕たちの脳は、思考を簡略化したがる上に、ないものねだりです。
「好き」という感情を認識しにくくなった頃、ふとしたキッカケやちょっとした積み重ねがトリガーとなり、「嫌い」という感情が強くなることもあります。
そして、いつの間にかパートナーの悪い所にばかりフォーカスしてしまう自分になっているわけですね。
確証バイアス
思い込みによる情報の偏りは、誰にでも発生します。
確証バイアスは、自らの仮説や考え方が正しいということについて、確証を得たいがための心理傾向です。
次のような特徴があります。
- 自らの仮説や考えを肯定する情報を信じ、積極的に収集する。
- 反対に、否定などの都合の悪い情報については無視してしまう。
正義と正義がぶつかり合う性格の不一致
離婚の原因などとして頻繁に出るのが「性格の不一致」というワードです。
つまり、自分の考え方とパートナーの考え方で合わない部分があったということになります。
確証バイアスが強く働くと、次のような傾向も表面化していくわけです。
- 自分の考え方ややり方が正しいし、実際そういう場面が多かった。
- 反対に、パートナーの考え方ややり方は間違っているし、実際そういう場面も多かった。
この場合、「実際そういう場面が多かった」という思い込みも、確証バイアスの影響と考えらますね。
自分に都合の良いことにフォーカスするため、自分の記憶に残りやすいのもそういった場面ということです。
結婚とは、自分以外の他人と一緒に生活していくわけであり、100%自分の思い通りになるわけがありません。
「自分が正しい」と思い込む傾向が強い人は、無意識のうちにパートナーの行動や思考傾向を無視している可能性があります。
おすすめの関連書籍
こうしたヒューリスティックスやバイアスについて、様々な研究を基にして丁寧に教えてくれる書籍をご紹介します。
行動経済学の名著であり、組織や周囲に安易に流されないためにも必読の一冊です。
こうしたバイアスの存在を知ることで、日々の選択に対して批判的な思考を持つことができるようになりますよ!
リフレーミングであえて真逆にしてみる!

これまでに説明してきましたとおり、一度相手を嫌いになってしまうと、すべての行動にマイナスのフィルターがかかるわけです。
では、夫婦仲を保つためにはどのように対策していけばよいのでしょうか?
先ほども少し触れましたが、次の前提を忘れてはいけません。
自分の要求や期待に100%答えてくれる人は存在しない!
ありのままのパートナーを受け入れることができないと、仮に違う人相手でも同じ失敗を繰り返します。
そして、あなた自身もパートナーの要求や期待に100%答えることなどできないわけです。
対策は様々ですが、この記事では『リフレーミング』についてご紹介していきます。
お互いの特徴は魅力にも不満にも変わる
表裏一体という言葉があるように、長所と呼ばれる特徴の裏側には、短所が隠れています。
つまり、同じような特徴であっても、状況や考え方次第で捉え方が変わるということです。
次の対応表をご覧ください。
ネガティブ面 | ポジティブ面 |
---|---|
決断力がなくて優柔不断 | 他人の意見を取り入れることができる |
小さなことにいちいちこだわる | 細かいところにも気がつくことができる |
理屈っぽくて面倒くさい | 論理的でしっかりしている |
感情に左右される | 思いやりがある |
一方的で強引 | 意志が強く頼りになる |
これらは一例に過ぎませんが、さまざまな性格特性は、ネガティブとポジティブの両面を持っているわけです。
そして、先ほど説明した感情ヒューリスティックなどの影響により、捉え方に偏りが生じていきます。
例えば、付き合い始めたころはポジティブに思えていた特徴が、結婚によってネガティブに見えてしまうこともよくあるわけです。
自分自身の捉え方を変えてみる
こうした感じ方のバイアスは、あなた自身のみでなく、もちろんパートナーも陥ります。
そして、他人の考え方を変えることは容易ではありません。
まずは、あなた自身がパートナーに対して先にGIVE(ギブ)していくことから始めましょう!
- パートナーの良い所を探してみる。
- パートナーのしてくれている(してくれた)ことに注目してみる。
- パートナーの行動や思いやりに対して、言葉で感謝の気持ちを伝える。
相手の良い所に注目してみると、パートナーの行動にも自然と意識が向き、接し方にも変化が生じていきます。
普段から気持ちを伝えていない場合、最初は不審に思われるかもしれません。
人間は続けることで慣れていくものですので、あまり気にせずに素直な感謝を伝えていきましょう。
ただし、暴力や金銭的問題に代表されるように、すべてのネガティブ面が捉え方を変えるだけで解決するわけではありません。
それでも、お互いのちょっとした意思のすれ違いは、リフレーミングによって解消できる場合があるのも事実です。
夫婦の関係性は時間と共に日々変化していくということを理解することで、危機的な状況を乗り越えながら、より良いものに育てることは可能と言えます。
おすすめの関連書籍
>>夫婦・カップルのためのアサーション(自分もパートナーも大切にする自己表現)
パートナーとの関係がどのように変化し、どのような問題解決手段があるのかという疑問について、非常にわかりやすく説明してくれる良書をご紹介します。
アサーティブは「自己主張」という意味になりますが、ここでの意味は決して一方的な自己主張などではありません。
アサーションとは、お互いを尊重し合いながら意見を伝え合うコミュニケーションのことです。
結婚後の関係悪化とリフレーミングについてのまとめ
さいごに、この記事のポイントを再確認します。
負の連鎖原因
- 「嫌い」という感情が強くなると、感情ヒューリスティックによって悪い所にフォーカスしやすくなる。
- 確証バイアスが強く働くと、自分の主張の正当性を証明し、相反するパートナーの主張を無視してしまう。
負の連鎖への対策
- パートナーの目立つ特徴には、ネガティブとポジティブの両面が存在している。
- 関係を良くしたいのであれば、あなた自身からリフレーミングを実践する。
- パートナーの行動や思いやりに対して、言葉で感謝を伝える。
結婚は当人同士だけの問題ではなく、それまでになかった新たな問題もたくさん発生していきます。
一時の負の感情にコントロールされてしまい、お互いの関係性が崩れてしまうなんて、非常にもったいないことです。
参考文献
- ダニエル・カーネマン,『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』(上)(下),早川書房
- Paul Slovic, Melissa L. Finucane, Ellen Peters, and Donald G. MacGregor.(2004). Risk as Analysis and Risk as Feelings: Some Thoughts about Affect, Reason, Risk, and Rationality. Risk Analysis, Vol. 24, No. 2.
この他にも、人間関係のお悩みに関する記事をこちらにまとめています。